中立離婚アドバイザー山根です。
行政書士だけが知っている「となりの離婚白書」へ、ようこそ。
今回の事件簿は・・・
【働かない夫に見切りをつけた】
夫25歳(無職)、妻25歳(自営業)。
婚姻5年目。同居中。
こども一人(2歳)。
早速、紐解いてみましょう・・・
最初に御相談にお見えになったのは、妻の両親(未だ40代です)。娘の夫がうつ病になって退職、引きこもりになっている。病気は仕方ないとしても、昼間から酒を飲み、一日中ゲームをしている。退職してから6ヶ月が経過しており、何とかしたいというものでした。
ご夫婦の問題なので、先ずは妻だけでも、できれば夫婦一緒で、ご希望なら両親同席でも結構なので御来所くださいとお伝えし、初日の相談は終了。
程なくして夫婦一緒に御来所。
夫は、うつ病なので仕事に行けないと主張。診断書はおろか、通院もしておらず、ほんとうに病気なのかも疑わしい状態。妻は、こんな生活が半年も続いていることに精神的に疲れ果てている様子でした。妻は、何でもいいから仕事して!と懇願していますが、夫は働く気持ちがありません。
これからの生活をどうしていきたいのか、一人ずつヒアリングすることに。
妻は離婚して人生を立て直したいと考えています。こどもを抱えて、更に夫の面倒までは見る余裕もないし、その気持ちも無いと言います。
夫は、何も考えられない、と繰り返すばかり。何をどうしたいのか、何かに不満があるのか否か、何かやりたいことがあるのか、全く心を開きませんでした。話合いで解決をする場であることを理解して貰ったうえで、その気が無いのであれば弊事務所では相談に応じられないことを伝え、妻や妻の両親には申し訳ないものの、相談を打ち切りさせて頂きました。
妻は、離婚を突きつけて、電気ショックのような衝撃を与えればまた働き出すだろうと、淡い期待も持っていたようでした。
3回程お会いする時間を設けましたが、残念ながら、夫には通院するかカウンセラーの利用をお勧めし。妻には裁判所での調停を利用してみることをお勧めし、本件終了となりました。
【中立離婚アドバイザーの回想録】
話しあい解決の場ですから、ご夫婦それぞれに「ああしたい、こうしたい」「ああしてほしい、こうしてほしい」という気持ちの表明が不可欠です。
気持ちを開示しない自由は当然にありますので、それを望まない方に対しては何もお手伝いできません。
私の経験やノウハウ、ネットワークを、もっと上手に使ってくれたら良かったのにという残念な気持ちが残った事件でした。