債務の負担が合意できました

夫48歳(会社員)、妻50歳(会社員)。持ち家。預金300万円。
カードローン他債務の合計400万円。
婚姻19年目。別居3ヶ月。
こども無し。

早速、紐解いてみましょう・・・

結婚して19年。こどもが出来ず悩んだ時期もあったようですが、夫婦で共通の趣味多数(キャンプ、旅行、オートバイ、マラソン、山登り、サーフィン、他)。お二人ともお勤めで、世帯収入としては余裕がある方だったといいますが、遊ぶことにお金を掛けすぎ、時々生活費が不足しては借入れを繰り返してきたとのこと。離婚時には、カードローン等の債務合計が400万円にも達していました。

2年前に夫の不貞が発覚し、別居と同居を繰り返しつつも、どうしても妻が許せないとのことから離婚するとの結論に至ったそうです。

自宅の土地は妻の父名義、建物はそれぞれ二分の一ずつ所有権を有しておりましたが、妻が夫の所有権を買取り、ローンも継続していくことで合意ができておりました。

一見、すぐにでも離婚できそうでしたが、合意できていない点についてヒアリングしました。
妻は、
・ 慰謝料が欲しい(200万円)
・ カードローンは、全額夫が支払う
夫は、
・ 慰謝料は払いたくない
・ カードローンは折半する
というもの。

妻に、生活費であれば兎も角、二人で一緒に遊んで使ったお金なのに、どうして夫に全額払って欲しいのかを尋ねました。

ヒアリングを進めて行くと、初めての不貞だから許してあげたい気持ちと、一回でも許せないとの気持ちが交錯し、自分でもどうして良いか悩んでいたとのこと。しかしながら、夫から離婚を切り出されてしまい、売り言葉に買い言葉の喧嘩で離婚に至ってしまったと、後悔されているような苦悩が感じられました。

その気持ちを伝えたことがあったのかと聞くと、伝えていないとの回答。伝えておかなくて後悔しないのか、熟考することをお勧めし、最終的に夫へお伝えすることになりました。

夫はその手紙を読んで半泣きしてしまった為、双方気持ちを落ち着かせ、深く考える時間をとりましょうと、1ヶ月の間合いを設けました。

婚姻継続の可能性もアリかなと受けとめておりましたが、1ヶ月後の結果は双方共に離婚する決意が固まったとの回答。

そして条件として、妻は慰謝料不要+カードローンは4割を負担する、夫は慰謝料を払う+カードローンは折半する、とお互いに提示してきました。

それはそれでどう歩み寄るのか難しいのですが、話合いを継続し、最終的に慰謝料100万円、カードローンは折半という内容で合意が成立しました。

夫は、不貞は不貞だからと潔く慰謝料を支払う気持ちを伝え、妻は、揺れていた気持ちを伝えることができ、双方納得のいく別れ方ができた様子でした。

後日談ですが、夫のFacebookにお二人で登山している姿と「離婚して他人になりましたが、また一緒に遊び始めました」と記されているのを発見し、じ〜んときてしまいました。

*中立離婚アドバイザーから離婚を考えているあなたへ

子どもができずに悩んだ時期もあったそうですが、多くの共通の趣味を持ち、楽しんでこられたご夫婦でした。お互い働いていたため経済的には余裕があったといいますが、遊びにお金を掛けすぎてしまい、離婚時にはカードローン等の債務が400万円に達していました。

この事案の特徴は、ご夫婦の認識が「遊びすぎた」という点で一致していたことです。借金の清算は使途不明なケースが多く、責任のなすりあいが常なのですが、「自分たちが遊んで使ったものなので、仕方ない」と認識が一致していたことが幸いでした。

夫の不貞が発覚してから、2年程をかけて別居と同居を繰り返し、充分な時間を掛けていたようにもみえましたが、実は妻の心の底には初めての裏切りを許してあげたい気持ちと、許せない気持ちが渦巻いていることがわかりました。夫からの離婚の申し出に対し、感情的な喧嘩がエスカレートし、後悔の念が増している様子も廻間見られました。

その気持ちを「夫に伝えたことはない」と話されていました。伝えなかったことで後悔はしないのか、一度しっかり考えてみることをお勧めしました。夫にも妻へ伝えたことがないことがあり、そこをお繋ぎしました。そして、双方で深く考える時間を設けることになりました。

婚姻継続も予見されるところ、1ヶ月後にはお互いに離婚の意志が固まっていました。お互いに自分の非を認め合う形になれたことが決め手になり、和解成立となりました。

離婚後の夫の投稿をみて、その言葉には双方が新たな関係を築く可能性が秘められているように思え、心が温かくなる瞬間でした。

離婚は終わりではなく、新たなスタートの一歩でもあります。
あなたも自分の心に正直に向き合い、新しい未来に向けて歩み始めてください。
憎しみだけを残さない・・・
未来は自分で決められます。

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